1960年代、坂本九さんの『上を向いて歩こう』という曲が大ヒットした。
「上を向いて歩こう 涙がこぼれないようひ」という歌詞を聞き、
何の涙なのか?失恋だろうか?といろいろ考えた記憶がある。
それはともかく今は、上を向いて歩いている人はほとんどいない。
皆、手元のスマホを注視していて、危険であり迷惑なのだが、当人は知らん顔である。
孫はまだ言葉を十分に話せないが、夜空を見て「ま!」と声を発する。
これはお月さまのことで、小さいながらも美しいものを感じているのだと思う。
月といえば、法然聖人の歌に「月かげのいたらぬさとはなけれども ながむる人のこころにぞすむ」がある。
スマホの画面ばかりを見ていないで、時には上や周りや自分自身を見てみることも必要だと思う。
「一人ではないよ」という声が聞こえることがあるかもしれない。
浄土真宗本願寺派中島組「そほう」2026秋号より 西光寺住職 山﨑 満城